国立大学法人 兵庫教育大学教育実践学叢書6
教員の職場適応と職能形成
教員縦断調査の分析とフィードバック
著者名 | 川上 泰彦(兵庫教育大学教授) 編著 | |
---|---|---|
ISBNコード | ISBN978-4-86371-569-1 | |
判型/頁 | A5判/248頁 上製本 | |
発売日 | 2021年1月30日発売 | |
定価 |
- 本書は、教員のキャリア形成や働き方などに関心を持ち、研究成果のフィードバックをとおして学校・教育行政の改善を志向する研究者たちによる研究成果である。
日本の公立学校における教員の職能成長・職場適応についての課題を整理するとともに、教員の力量形成、組織適応、メンタルヘルス、学校組織の協働・リーダーシップ、学校における働き方などに関して、幅広くデータ収集を行い、多面的な分析をふまえて教員の職場適応と職能形成を検証・考察した一冊。
- 目次
- 序 章 教員の職場適応と力量形成
―教員人事制度はどう影響するか - 第1節 課題設定
1.学校組織の変化―「小規模化」と「若返り」
2.重視される「学校への適応」―(1)教員の心身の健康
3.重視される「学校への適応」―(2)教員の能力形成・職能成長 - 第2節 教員の適応・能力形成の「日本的特質」
1.日本の教員人事の特徴
2.「日本型」教員人事の機能―地域間の均衡と人材育成 - 第3節 「日本型」教員人事制度から導き出される研究課題
1.「日本型」教員人事制度下における「職場適応」の研究課題
―健康の面から
2.「日本型」教員人事制度下における「職場適応」の研究課題
―職能成長の面から - 第4節 教員の適応と健康・能力形成の分析
―我々の研究計画と本書の構成 - 第1章 教員の職能成長と職場適応に関する研究の展開と課題
―アメリカの研究動向に焦点をあてて - 第1節 はじめに
- 第2節 教員の「職能成長」に関連する研究動向
1.教員の成長段階に関する初期の研究
2.教員の成長段階の全体像に関する研究例
3.教員の成長段階に関する多様な記述と変数へ
4.教職の「危機」にこそ焦点化した研究へ - 第3節 教員の「職場適応」に関連する研究動向
1.「学校の組織的文脈」への注目の高まり
2.教員の離職問題とキャリア形成
3.教員の職場環境と職業的満足度に関する研究
4.学校の組織的文脈と教員の成長―教員パネル調査の動向 - 第4節 小括
- 第2章 研究とデータの全体像
- 第1節 調査概要
1.初任教員・初任期教員対象の調査
2.初任者に限定しない教員対象の調査 - 第2節 データの概要
1.初任教員・初任期教員対象の調査
2.初任者に限定しない教員対象の調査 - 第1部 分析編 <1>
初任期教員の適応と健康・力量形成 - 第3章 初任期教員の勤務実態と職能成長
- 第1節 はじめに
- 第2節 初任期教員の勤務実態と職能成長の変容
1.日常の勤務状況について
2.主観的な職能成長尺度
3.組織における上司・同僚関係
4.勤務実態,職能成長,職場適応の変化 - 第3節 主観的な職能成長・職場適応と上司・同僚関係
- 第4節 本章のまとめと今後の展開
- 第4章 初任期教員のストレスと適応感
―パネルデータを用いた分析 - 第1節 問題の所在と本章の目的
1.教職キャリア構築における研究上の課題
2.教員のストレス研究における課題と本稿の目的 - 第2節 調査概要
1.調査手続きとデータ
2.分析モデル - 第3節 分析結果の提示と解釈
1.分析モデルの選択
2.結果の提示 - 第4節 考察と本章のまとめ
- 第5章 初任教員の心身の健康に対する長時間労働の影響
―非従来的な識別戦略と内生性・非線形性・異質性 - 第1節 問題の所在
1.背景・先行研究
2.本章の分析における問い - 第2節 長時間労働の影響の分析における識別戦略
1.除外制約による識別
2.不均一分散を通じた識別 - 第3節 分析
1.データ
2.長時間労働の影響の分析
3.長時間労働の影響の異質性 - 第4節 結論と今後の課題
- 第6章 第1部小括
―初任期教員の適応と健康・力量形成 - 第2部 分析編 <2>
流動的な職場における適応・力量形成 - 第7章 組織参入時の適応を促す方策と組織社会化
- 第1節 はじめに
1.教員の適応に関する社会状況
2.参入時の適応に関する先行研究 - 第2節 方法
1.データ
2.使用変数 - 第3節 分析
1.従属変数の記述統計量の変化
2.回帰分析
3.解釈 - 第4節 考察と本章のまとめ
- 第8章 中堅教員のリーダーシップ支持を促す同僚性要因に関する研究
- 第1節 問題の所在
1.政策動向と課題
2.先行研究レビューと本章の課題設定 - 第2節 調査設計と分析結果
1.調査設計
2.分析結果の提示 - 第3節 結果の考察と今後の課題
1.結果の考察
2.今後の課題 - 第9章 教員の働き方に関する意識と長時間労働との関連
- 第1節 課題設定
- 第2節 分析枠組み
―組織社会化・プロアクティブ行動と教員の働き方との関連 - 第3節 データと使用変数
1.データ
2.使用変数
3.推計モデル - 第4節 分析
1.週全体の労働時間を規定する要因
2.週の教科外指導時間を規定する要因
3.週の授業準備・成績処理・学級経営時間を規定する要因
4.週の学校運営時間を規定する要因
5.週の外部対応時間を規定する要因 - 第5節 考察と課題
- 第10章 教員の研修への参加と職務上の自己効力感
- 第1節 はじめに
- 第2節 使用変数
1.データ
2.使用変数 - 第3節 分析の結果
1.パネルデータによる分析結果
2.男女別のパネルデータ分析結果 - 第4節 考察とまとめ
- 第11章 第2部小括
―流動的な職場における適応・力量形成 - 第3部 パネルデータの収集・分析・活用
- 第12章 フィードバックの実践と課題
- 第1節 調査の実施に向けた留意点と実践事例
1.教育委員会との信頼関係の構築
2.フィードバックにおける留意点
3.調査の実施に至る実践事例 - 第2節 教育行政向けフィードバックの実践と課題
―E県J地区における事例
1.教育行政向けフィードバックの実践
2.教育行政向けフィードバックの課題 - 第3節 学校管理職・ミドルリーダー向けフィードバックの実践と課題
1.学校管理職・ミドルリーダー向けフィードバックの実践
2.学校管理職・ミドルリーダー向けフィードバックの課題 - 第4節 回答者個人向けフィードバックの実践と課題
1.アンケート自由記述からみるフィードバックの重要性
2.回答者個人向けフィードバックの実践と今後の課題 - 第13章 教員の適応のパターン化とフィードバックへの活用
- 第1節 問題の所在と研究アプローチ
1.先行研究における課題
2.研究アプローチ - 第2節 調査結果の提示
1.調査設計
2.分析結果の提示 - 第3節 結果の考察とフィードバックへの活用
1.結果の考察
2.フィードバックへの活用と今後の課題 - 補 論 パネルデータの意義と分析手法
―パネル線形回帰モデルおよびマルチレベル因子分析 - 第1節 パネルデータの構造とデータ収集
- 第2節 パネルデータを用いた回帰モデル
1.非時変的要因の統制:固定効果モデル
2.寄与の分解:変量効果モデル - 第3節 マルチレベル因子分析
1.モデル
2.マルチレベルモデルによるバーンアウト尺度の推定 - 終 章 パネルデータを用いた職能成長・職場分析とフィードバック
- 1.教員の職能成長をめぐる課題意識
2.教員の職場適応・職能成長に向けて
3.調査の継続と分析手法の洗練 - 共同執筆
- 榎 景子(長崎大学准教授)
妹尾 渉(国立教育政策研究所総括研究官)
梅澤 希恵(国立教育政策研究所研究員)
波多江俊介(熊本学園大学准教授)
橋野 晶寛(東京大学准教授)
町支 大祐(帝京大学常勤講師)
神林 寿幸(明星大学常勤講師)
當山 清実(兵庫教育大学教授)
網谷 綾香(大阪成蹊短期大学教授)
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