連載
- ――日本にイノベーションが起きないのは、産業界の責任も大という認識をお持ちだ。率直な考えを聞かせてほしい。
- 濵口 企業の責任は極めて大きい。日本はこのままではアジアの後進国になるかもしれない。大学にも、産業界にも問題がある。
- 問題の第一は、企業が研究の受け皿にならないことだ。チップを開発してもサムソンに行ってしまったように、大企業が成功体験から抜け切れないのだ。大企業にはまらないユニコーン型の企業の育成を図る必要がある。そのためにはSBIRの改革が重要だ。それについては、後で話そう。
- 二つ目は、研究者と企業を結ぶ仕組みが設計できていないことだ。海外では国防高等研究計画局（DARPA）注1が知られている。いくら大学改革だけをやっていても意味がない。成果の受け皿になる企業を早い段階から研究者と並走させる制度が、とても大事だ。
- ――つまり、イノベーションが起きないのは、大学がサボって研究をしなくなったのではなく、企業側がそれをきちんと評価し、実装する努力をしていないからか。
- 濵口 これを見てほしい（グラフ1）。1982年から2014年までの工学分野のトップ10％論文の被引用件数のシェアを見たものだ。工学分野で近未来、実用化されるであろう、重要な研究成果がここに入っている。
- ――二つの傾向が顕著だ。一つは企業の論文数の激減。もう一つは、最も国費を投じられている第一群の東京、京都、東北、大阪の四大学の論文数の減少だ。何が起きているのか。
- 濵口 企業は1990年代には30％を超えていたが、今は約半分、17％しかない。企業が頭を働かせていない。トップが時代の流れを読めていないのかもしれない。第一群の論文数の減少は、これまでの政策が軸に据えてきた「選択と集中」では問題が解決しないことを物語っている。
- ――第一群は世界的な研究大学を看板に掲げている大学だ。
- 濵口道成（はまぐち・みちなり）
1951年、三重県伊勢市生まれ。医学博士。名古屋大学大学院医学研究科博士課程修了。2009年から2015年まで名古屋大学学長、2015年より現職。名古屋大学名誉教授、文部科学省科学技術・学術審議会会長。 - 濵口 80年代より2010年代の方が「選択と集中」を余程やっているはずだが、かつて22％あったシェアが18％に減っている。時間のかかるノーベル賞級の研究をしているのかもしれないが、実際に取っているのは、この中では京都大学ぐらいだ。
- 一方で、第二群、四群の伸びが顕著だ。どこの大学がどれほど貢献しているかまではわからないが、国立大学改革の中で、最も予算配分の直撃を受けている大学群が、逆に増えている。
- ――選択と集中では説明できない何かが、大学の中で起きているのだろうか。
- 濵口 起きている。何よりもこのグラフは、日本の工学分野の中核を支えているのは、二、三、四群だと示している。だが今のまま予算を絞っていくと、このあたりの活力が本当にしぼんでしまうだろう。
- ――企業の研究が振るわないとしたら、大学に目を向けないのもうなずける。目利きもいなくなっているだろうから。
- 濵口 不思議なことが起きている。こちら（グラフ2）はパテントに引用された論文、その国別比較だ。分野によって異なるが、全体的に見ると、海外企業の方が日本の論文を活用している。
- ――日本の企業は舶来主義なのだろうか。海外の大学には結構な額のお金を出すのに、日本の大学に対しては「お付き合い程度」しか出さないと、しばしば耳にする。企業、大学の双方から。
- 濵口 そもそも日本の論文を読んでいないのかもしれない。読める人がいなくなっているのだろう。第一群大学にしか目が向いていないこともあるのではないか。都市部ではない地域の大学を見ていない。論文自体の質で判断しないで、企業人は自分の周辺の人間関係だけで判断してしまう傾向が強い。残念ながら、このデータではそこまでは立証できないが。
- ――日本が「アジアの後進国」になるかもしれないという指摘が現実味を増してきた。
- 濵口 まだある。こちらは、日系企業の世界シェアだ（イラスト）。バルーンの大きさは日本企業の規模だ。2006年と2016年、10年間の変化が一目でわかるだろう。残っているのは自動車だけ。医療薬品が辛うじて残っているが、電子電気は全滅状態だ。ハイブリッドエンジンが新しく出てきているのが、わずかな希望だ。
- この10年、自動車、特にトヨタが何をしてきたかにヒントがある。21世紀に必要な車とは何かを考え、開発に取り組んでいた。資源枯渇と環境保全をキーワードに。それがハイブリッド車を育てたのだろう。先に必要なものは何かを見定め、いま何をすべきか考えるバックキャストが奏功したと言っていいだろう。
- 問題はこの先だ。これを見ればわかるように、いま危機的な状況にあるのは、大学ではなくて企業だ。産業界は大学改革ばかり声高に唱えているが、その前に自らの足元を見た方がいい。
- ――日本は、素材産業が強いと言われるが。
- 濵口 だが、バルーンは小さい。エネルギーの90％は輸入に頼っている。食料にしても六割は輸入だ。このバルーンが消えたら、日本人はどうやって生き残ったらいいのか。
- 20世紀末の日本といまとは国力が全く違う。その状態にみんな気付いていないが、特に企業はひどい。お殿様状態だ。社長の在任期間中、何もなければいいという考えの人が多すぎる。大学はかなり勝負をかけてやっているのに。
- ――700以上ある大学が全てそうとは言い切れないが。ほかに企業側の課題として何を挙げられるか。
- 濵口 すべて社内で賄おうとしている。電機電子がその典型で、白物家電からスーパーコンピューター、原子力まで全部1社で丸抱えをしようとしている。白物家電をやっている人にスパコンがわかるわけないし、まして原子力を理解できるわけはない。資源投資のデザインを描ききれないままに、お互いに食い合って、結局、貴重な技術を台湾に安く売り渡すことになってしまう。それが現状だ。企業人には是非、その点を反省してもらいたい。
- ――イノベーションを起こす潜在的な力が日本の大学にあっても、海外に流れているということか。
- 濵口 そうだ。日本の大学の研究が海外に流れ、破壊的なイノベーションが起きた典型例を紹介しよう。たとえば「IGZO」は東京工業大学の細野秀雄教授が発明したが、結局は韓国のサムスンに流れていった。2019年にJSTが交渉を重ねてサムスンからライセンス料を取り返した。いくら取り返したと思う？ たったの10億円だ。少ない。知財管理が弱かった。
- ――大学が知財を管理できていないということか。知財管理に乗り出している大学は多いが。
- 濵口 大学では難しい。経験が全く足りていないから。知財は国際競争の中にある。関連する国が3、4カ国におよぶこともざらにある。それを小さな大学の技術移転機関（TLO）注2が管理するのは困難で、結局、放置してしまうようだ。
- 3Dプリンターも典型例の一つだ。もとは1980年、名古屋市工業研究所の小玉秀男研究員（当時）が発明した。パテントを維持する資金もなく、力もなかった。結局、その後にアメリカが同じことを「発明」して87年に商業化、100億ドルの市場規模を築いた。日本円にして約1兆2千億円。政府の財政負担は4億円。それが3千倍の1兆2千億円に化けるはずだった。運営費交付金分は、ここで稼げていたのだ。
- ――国が知財を管理すべきだったのか。
- 濵口 当時は、国も知財管理への関心が低かった。独創的な発明を評価することもできなかった。目利きがいなかった。
- DNAシークエンサーは、DNA配列をそれまでの技術より速く解読できる技術だ。81年から3年間で科学技術振興調整費を使って、東大教授たちが発明した。パテントを取ろうとしていたが、84年に取り下げてしまった。90年にヒトゲノム計画が出てきて、アメリカのベンチャー企業が「ABI製シークエンサー」を発表し、彼らは今、約1兆7千億円をもうけている。
- 当時、日本が負担していた科学技術振興調整費は約9・1億円。これが1兆7千億円に化けたはずなのだ。ああ、ここでも稼ぎ損なった。
- ――敗因はどこにあったのだろう。
- 濵口 パテントをとるなという政府の指導があった。当時の価値観だろう。国立大学がパテントをとるなんて、という時代だった。私たちの若い頃は、そういう時代だった。「産学連携は罪」「金に手を染めるな」という風潮があった。大学教員は「聖職」だったから。
- ――その結果、世界の潮流から取り残された。
- 濵口 当時は産業界に近づくことも難しかった。名古屋大学の教授で、自分で起業したら裁判沙汰になった事例さえある。そういう時代だった。価値基準が今とは180度違っていた。
- 最近の事例ではオプジーボだ。これも危なかった。2002年に抗がん作用を発揮することが実証されたのに、日本企業がすぐに開発に乗り出さず、10年もかかってしまった。もっと早く開発に乗り出していたら、5年か10年は早く世に送り出せたはずだ。アメリカのベンチャーに流れそうになり、ようやく小野製薬が重い腰を上げた格好だ。50億円弱の投資だが、年間900億円ぐらいの売り上げは確保できる。
- 完全に外国に流れた事例もある。EML4-ALK。肺がんの発癌機構の解明。基礎研究費として政府は41億円出して開発していたが、結局、ファイザー社の「クリゾチニブ」として承認された。市場規模は今、1兆円近い。投資額の200倍近くだ。武田や中外がなんとか食い込んだが、なぜ海外企業が評価する前に自分たちの目で評価しないのか。
- ――失敗ばかりではなく、青色LEDのような例もある。
- 濵口 あれは早くからJSTが関わった成功例だ。7億円しかかかっていないが、世界規模で5兆円、日本だけで7500億円の市場規模を築いた。
- ――ここから教訓を導き出すしかなさそうだ。
- 濵口 そう、誰が悪いと言っていても仕方がない。大学発の研究成果を実装につなぐための仕組み、オールジャパンとしてどう戦うか、戦略を立てなくてはならない。その一つの道はユニコーンにつながる政策を、国として創ることだ。それを、若手中堅研究者の活躍を促進する仕組みにするのだ。これまで挙げた研究は、若手や中堅研究者たちの成果だ。
- 日本発のユニコーン的企業の時価総額はトップ五社だけであわせて約2兆円まで来ている。東証マザーズの二割が大学発ベンチャー。株を公開していないが、この下にも層ができている。システムさえうまく作って動かせば、まだ伸びる。
- 大学発ベンチャーの設立数には波がある。リーマンショックで下がったが、また上がってきている。景気悪化やそれに伴う資金調達、販路開拓の難しさだ。ベンチャー経営自体の難しさもある。だが、その中から競争力の高いベンチャーが、大学から誕生している。
- ――ベンチャー支援について、海外ではどのような制度を持っているのだろうか。
- 濵口 たとえば、アメリカでは「SBIR制度注3」が機能しているようだ。「費用対効果」を見ると、50倍近く。100万円投資すると5千万円になるということだ。
- 山口栄一・京都大学教授によると、SBIRに支援されている企業の方が、支援されていない企業よりも四倍ものパフォーマンスを上げられる。一方、日本版SBIRをみると、支援された方が下がっている。
- ――どちらも複数の省庁が関わっているが、アメリカの予算規模は桁が違う。その辺りが結果の違いを生んでいるのだろうか。
- 濵口 支援の枠組みも違う。アメリカは市場の競争が厳しいから、ベンチャーで作られたものを優先的に政府調達、つまり政府が買い上げて、市場に流れるようにしているのだ。まるで社会主義のような仕組みをつくっている。だから、アメリカのベンチャーの大半は大学発だ。
- 日本は省庁がそれぞれの資金配分プログラムで支援している。入札機会を増やしてはいるが、政府調達まではしてない。完全に市場に任せている。「日本版SBIR」とは名ばかり、「中小企業技術革新制度」という名の通り、実は中小企業対策なのだ。中小企業に資金を入れることをそもそもの狙いとしている。
- ――研究者と産業界をつなぐ仕掛けはJSTでも取り組んでいる。
- 濵口 もう7年目になる「センター・オブ・イノベーション」（COI）はその一例だ。10年後の社会のあるべき姿を出して、取り組むべき課題を設定するバックキャスト型の事業だ。プロジェクトのトップは産業界から招く。リサーチのトップは大学から選ぶ。こういう形で18の拠点を選び、321社が関わり、大学人と一緒に産業を創出している。ベンチャーが33社できた。パテントも1282件だ。
- たとえば、弘前大学と10数社が寿命と健康をテーマにプロジェクトを進めている。青森県は男女とも日本一の短命県。なぜ短命になるのか、生活様式はどうか、認知症とどう関わりがあるか……。各社から合わせて毎年約3億円と研究員が弘前大学に集まっている。
- ――企業のトップを入れることがなぜ大事なのだろうか。
- 濵口 実用化できるものを開発しようとしたら、大学の先生では無理だ。オリジナルのデータを出したり、新しい発見をしたり、技術を見つけたり――こういうのは大学の先生の能力がかなり発揮される場面だろう。社会実装するには、違うセンスが必要だ。社会で使える技術か、ビジネスになるか。それには別の判断力が必要だろう。
- ――そこで問題になるのは、やはり目利きが乏しいことだ。先ほどの話に出ていたように、日本の論文が国内より国外で高く評価されていることを考えると、先行きは暗い。
- 濵口 それはそうだ。目利きは育てなければならない。人間は常に経験に支配される生き物だから。
- 日本はサイロ型社会、タテ割りだ。ここに問題がある。大学の人は大学しか知らない。企業の人は、自分の会社のことしか知らない。サイロ型社会のままでは、企業の人が大学の研究を理解しようと思っても難しいだろう。その結果がこれまで話してきたようなことに現れている。日本の地方の大学の成果を生かせない企業が多い原因は、そこにあるのではないか。極端な話をすれば、自分の卒業した大学だけ気にかけている。世話になった先生に100万円やることしかできない。そういう人材育成をしてきたのだ。視野が狭い。
- アメリカの場合は企業で働いた後、また大学に入るし、博士号もとる。逆に、大学の研究者が企業で活躍することもある。キャリアパスが複線化しているからだ。そのなかで多角的多面的な価値観に対応できる人材が自然と育つ。そんな仕組みができている。
- ――終身雇用という仕組みが悪く作用してしまったという言い方もできる。
- 濵口 いま終身雇用は壊れかかっているが、サイロ型社会の破壊までにはつながっていない。チープな社会、デフレ社会。人件費を切って内部留保するばかりで社会に還元しない会社が多すぎる。何で儲けたかということだけで判断している、悲しい社会だ。
- フォードがベルトコンベアー方式で車を大量生産していた、ひと昔前の話だ。従業員の給料を倍にしたことがある。自分たちの生産ラインで作った車を社員が給料で買えるように、と考えたのだ。今の日本の企業は、人件費をカットしか考えていない。物を買わなくなるのは当然だ。賃金が上がっていないから。
- 自分で作った商品ですら買えない。一方で、中枢の人たちの給料は高い。億単位でもらっている。しかも、それに見合った厳しいペナルティーは課されていない。会社を潰すような判断をしていても、ペナルティーがない。矛盾が多すぎる。私は別に社会主義者ではないが、企業にはもうけを社会に還元するシステムを持ってもらいたい。
- ――サイロ型社会、タテ割り社会は今に始まったことではない。にもかかわらず、なぜ今、企業の研究論文が減っているのか。それと、海外企業の方が日本の研究を認めている現実はどう関わりがあるのだろうか。
- 濵口 敗戦は1945年。その時に二十代だった若者が六十代になったのが、1980年代だ。バブルの頃は、まだ戦争世代が現役で頑張っていた。死戦を越え、焦土と化した日本の現実を見てきながら、そこから日本を立ち上げなくてはいけない、どうしたらいいかと考えていた。何で立ち上げるか。科学技術しかない。そう考えた。ソニーの創業者しかり、日本家屋の二階に間借りしながら研鑽を重ねていた。松下もそうだった。その根性と度胸と、ブレのない姿勢が消えてしまったのではないか。廃墟の中から這い出た人しかわからないシリアスさがあったのだろう。だから、タテ割り社会でも、それを超える能力があった。死戦をさまよう中で生かされてきた経験的判断力があったのではないか。
- ――そうして築いた繁栄で、目が曇ってしまったのだろうか。いずれにせよ、企業の論文シェアが30％を超えていた時代は、過去のものになってしまった。
- 濵口 日本の4分の1を支えているのはこの第二、三、四群大学の論文だ。しかし、運営費交付金全体が減っているなかで、当然、二、三、四群の予算も減っているから、いつまでこの状態を保てるかわからない。これから、厳しくなっていくだろう。ここを生かす政策をとらないとサドンデスが起きる。産業で言えば、日本はいま首の皮一枚、自動車だけで生きている。
- ――企業と政府の関係はどうか。
- 濵口 特定のプロジェクトでつながるのではなく、オープンで公平性のある支援をいかにして作るか。ユニコーン企業を育てる気概を持てるか。政府も根性を見せてほしい。
- ――いかに産業界を巻き込むかだ。
- 濵口 既存の産業界、大企業では無理だ。古い価値観に縛られていない20代、30代に新しい企業を作らせないと。今は自動車産業を絶対にサポートしないといけない時期だ。これを失ったら、日本はエネルギーも食料も輸入できない。どうやって食っていくのか。
- 我々の世代には、戦後間もない頃の記憶が残っている。私は三重県で生まれた。1歳の頃、伊勢市駅前には手足を失った傷病兵が大勢いた。白い服を着て、道行く人たちにお金をもらっていた。冬場にはドラム缶に廃棄物を入れて焼き、暖をとっていた。今もあの光景が目に焼き付いている。
- 豊かな日本しか知らない、戦争や貧困に耐性のない世代が日本の行方を決めている。24時間、コンビニが開き、車でどこにでも行ける時代が未来永劫に続くわけがない。一瞬先にはサドンデスが待っている。それは、これまで紹介したデータが示している。シーザーが言った通り、人間は見たくないものは見ない。大きなバルーンが小粒になってしまったデータは2016年のものだった。4年たった2020年、それはどうなっているのか？
- ひとこと
-
大学と企業の意識の隔たりが顕著に現れるのは、卒業生の扱いだ。グローバル競争を視野に、大学が「とがった人材」育成に力を入れても、企業側は「協調性がない」と受け入れに難色を示す。知識集約社会とされながらも「『博士』は気位ばかり高い」と難じられ、これまた売れ残る。結局、従来通りの組織の色に無難に染まる人が重宝され、「個性」は塩漬けにされるか、海外に出ていく。その結果が日本の現状だ。
新型コロナウイルスの影響で、働き方を変えざるを得なくなった。テレワークの普及は、企業文化も変える起爆剤になるか。敗戦後、護送船団方式で発展してきた日本の底力が試されているような気がする。（奈）
異見交論 第6回
科学技術振興機構理事長 濵口道成氏
産業界よ、足元を見よ
大学とは何か。どんな価値を持つのか、進むべき道はどこにあるか。
大学人や政治家、官僚、財界人らに大学への本音を聞く。
文・松本 美奈 ジャーナリスト、一般社団法人Qラボ代表理事
日本の経済成長に向け、大学改革は1丁目1番地――。政府はそう発破をかけ、改革を推し進めている。しかし、それは本当にイノベーションにつながっているのだろうか。「答えはノー」と明確に否定するのは、科学技術振興機構（JST）の濵口道成理事長だ。大学にも問題はあるが、「企業側の責任も大きい」と言う。では、何が一番の問題なのだろう。
日本は「後進国」へ
はびこる舶来主義
惨敗に次ぐ惨敗
支援とは名ばかりの
サイロ型社会
＜注＞
1 DARPA 米国国防総省の内部部局。GPS（全地球測位システム）を開発したことで知られる。
2 技術移転機関：Technology Licensing Organ-ization 大学の研究者の研究成果を特許にし、企業へ技術移転する法人。産学の仲介役。
3 SBIR制度 Small Business InnovationResearch 農務省、商務省、国防総省、NASA、NSFなど11省庁横断でベンチャーを支援する制度。年間外部研究開発予算が1億ドル以上の省庁に、その3・2％をSBIRに拠出することが義務付けられている。2018年予算は28・1億ドル（約3100億円）1982年開始。
これを模して日本は1998年に「中小企業技術革新制度」を開始。総務省、経済産業省、文部科学省、厚生労働省など七省が参加。毎年、支出目標額を閣議決定。2018年度目標額は460億円。
松本 美奈（まつもと・みな）
ジャーナリスト、一般社団法人Qラボ代表理事。上智大学特任教授、帝京大学客員教授、実践女子大学学長特別顧問。元読売新聞記者。著書に『異見交論崖っぷちの大学を語る』（事業構想大学院大学出版部）、『特別の教科 道徳Q＆A』（共著、ミネルヴァ書房）など。
新刊書籍
国立大学法人 兵庫教育大学教育実践学叢書7 教師の総合的力量形成
キャリア発達支援研究10 本人を中心とした柔軟な思考としなやかな対話をとおして
新たな価値を相互に生み出すキャリア発達支援 2024年3月29日発売 定価2,750円
新・現場からみた労働法
ワクワクしながら子どもが育つ
授業を豊かにする筑波大附属特別支援学校の教材知恵袋 応用・発展編
重度・重複障害児の学習とは？Vol.2
「社会教育」を考える
In Touch 触って学ぶ 目の見えない子どもが世界を発見するために
見て、聞いて、触って、動いて
年間指導計画システムの理念と実践
授業力向上シリーズNo.11
この子らしさを活かす支援ツール３Information
- 【TV放送】(YouTubeも配信)
- テレメンタリー2024「世界一きれいな言葉」全国放送！
『はるの空』の著者、春日晴樹さんのドキュメントです。「手話」のこと理解できます。
テレビ朝日２/３(土)午前4:50~、朝日放送テレビ２/４(日)午前4:50~、北海道テレビ放送２/４(日)午前10:30~ - 【イベント】
- 第48回 淑徳大学 発達臨床研修セミナーが2023年8月5・6日（土・日）に開催されます。
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肢体不自由教育2023年259号
『発達に遅れがある子どものためのお金の学習』
『特別支援教育における学校・教員と専門家の連携』
『かゆいところに手が届く重度重複障害児教育』
書評が掲載されました。 - 『発達に遅れがある子どものためのお金の学習』
『特別支援教育における学校・教員と専門家の連携』
『かゆいところに手が届く重度重複障害児教育』 -
週刊教育資料 第1691号2023年2月20日号
『発達障害・知的障害のある子どものSNS利用ガイド』の書評が掲載されました。 - 『発達障害・知的障害のある子どものSNS利用ガイド』
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点字毎日新聞 第1251号
『視覚障害のためのインクルーシブアート学習』の記事が掲載されました。 - 『視覚障害のためのインクルーシブアート学習』
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肢体不自由教育2023年258号
『障害の重い子供のための 各教科の授業づくり』書評が掲載されました。 - 『障害の重い子供のための 各教科の授業づくり』
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週間教育資料2023年1月16日 No.1687
『大人の発達障害 「自分を知ること」「人に伝えること」』書評が掲載されました。 - 『大人の発達障害 「自分を知ること」「人に伝えること」』
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理科教室2月号 vol.818
(2023年02月01日発行)
『中学・高校物理の学びに役立つ実験集』盲学校の物理実験の工夫と生徒を育む授業として記事が掲載されました。 - 『中学・高校物理の学びに役立つ実験集』
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月刊人材ビジネス vol.438 (発売日2023年01月01日) 『労使関係法の理論と実務』
人材ビジネス関係者にお勧めの一冊として記事が掲載されました。 - 『労使関係法の理論と実務』
- 北羽新報 2022.9.13
山口新聞 2022.9.19
『はるの空』春日さん夫婦の民泊運営についての記事が掲載されました。 - 『はるの空』
- 肢体不自由教育2022.257号
『障害の重い子どもの授業づくり 最終章』 の書評が掲載されました。 - 『障害の重い子どもの授業づくり 最終章』
- 肢体不自由教育2022.256号
『自立活動ハンドブック第1巻～第3巻』『障害のある子供の教育支援の手引』 の書評が掲載されました。 - 『自立活動ハンドブック第１巻』
『障害のある子供の教育支援の手引』 - 肢体不自由教育2022.255号
『インクルーシブ教育システムを進める10の実践』 『知的障害教育における「学びをつなぐ」キャリアデザイン』 の書評が掲載されました。 - 『インクルーシブ教育システムを進める10の実践』
『知的障害教育における「学びをつなぐ」キャリアデザイン』 - NHK総合（全国放送）「空知くん ３歳 ～空知の声は聞こえなくても～」
本放送 4月1日(金) 午後7時30分-
再放送 4月2日(土) 午前10時55分-
『はるの空』の春日さんの家族を追ったドキュメント番組が放送されます。聴覚に障害のある両親と３歳の息子空知くんの成長記録です。 - 『はるの空』
- 特別支援教育研究2022年4月号『キャリア発達支援研究８ いま、対話でつなぐ願いと学び』の 書評が掲載されました。
- 『キャリア発達支援研究８ いま、対話でつなぐ願いと学び』
- 実践みんなの特別支援教育2022年4月号 『知的障害教育における「学びをつなぐ」キャリアデザイン』の 書評が掲載されました。
- 『知的障害教育における「学びをつなぐ」キャリアデザイン』
- 肢体不自由教育2022.254号 『インクルーシブ教育システム時代の就学相談・転学相談』の書評が掲載されました。
- 『インクルーシブ教育システム時代の就学相談・転学相談』
- 上毛新聞文化欄 2022.3.1
『視覚障害のためのインクルーシブアート学習』の記事が掲載されました。 - 『視覚障害のためのインクルーシブアート学習』
- あとはとき第13号『視覚障害教育入門Q＆A 新訂版』 の書評が掲載されました。
- 『新訂版 視覚障害教育入門Q＆A』
- 琉球新報2022.3.3
『はるの空』春日さんの講演についての記事が掲載されました。 - 『はるの空』
- 特別支援教育研究NO.775
(令和4年3月発行) 図書紹介 - 『知的障害教育の「教科別の指導」と「合わせた指導」』
- NHK総合（全国放送）「空知くん3歳―心と心で会話する親子―」 11月24日(水)の放送で『はるの空』の春日さん親子が放映されました。
- 『はるの空』
- 肢体不自由教育252号
(令和3年11月発行) 図書紹介 - 『みんなにやさしい授業の実践』
- 特別支援教育研究10月号
（東洋館出版社）図書紹介 - 重度・重複障害児の学習とは？
- 特別支援教育研究10月号
（東洋館出版社）図書紹介 - これ一冊でわかる「教育相談」
- 北日本新聞 9/5 記事
- はるの空
- 特別支援教育研究9月号
（東洋館出版社） - 『今日からできる！ 小学校の交流及び共同学習』
- 特別支援教育研究9月号
（東洋館出版社） - 『教材知恵袋 自立活動編』
- 埼玉新聞2021.8.6
- 『私たちが命を守るためにしたこと』の記事が掲載されました。
- TBSラジオ「人権TODAY」（土曜日8時20分～）、7月3日の放送で、
- 『私たちが命を守るためにしたこと』の本が取り上げまれます。
- 肢体不自由教育250号
（日本肢体不自由児協会） - 文字・文章の読み書き指導
- 4/13号 あさひかわ新聞 記事
- はるの空
- 4/6 北海道新聞 記事
- はるの空
- 3/13 美瑛新聞 記事
- はるの空
- 実践みんなの特別支援教育4月号（学研教育みらい）
図書紹介 - 特別なニーズ教育の基礎と方法
- 肢体不自由教育249号
図書紹介 - 授業力向上シリーズNo.8 遠隔教育・オンライン学習の実践と工夫
- 特別支援教育研究3月号
（東洋館出版社）763号
図書紹介 - キャリア発達支援研究7 思いと向き合い可能性を紡ぐキャリア教育
- 実践障害児教育2021年2月号
（学研教育みらい） - カリキュラム・マネジメントで子どもが変わる！学校が変わる！
- 肢体不自由教育248号
（日本肢体不自由児協会） - 特別支援教育のカリキュラム・マネジメント
- 肢体不自由教育247号
（日本肢体不自由児協会） - 子ども主体の子どもが輝く授業づくり3
- 10/8産経新聞 記事
- 社会参加をみすえた自己理解
- 10/6大阪日日新聞 記事
- 社会参加をみすえた自己理解
- 肢体不自由教育246号
（日本肢体不自由児協会） - 特別支援教育のステップアップ指導方法100
- 肢体不自由教育246号
（日本肢体不自由児協会） - 「自立活動の指導」のデザインと展開
- 教育家庭新聞8/3号
- 特別支援教育の基礎・基本 2020
- 実践障害児教育8月号
（学研教育みらい） - 今日からできる！ 発達障害通級指導教室
- 実践障害児教育7月号
（学研教育みらい） - 知的・発達障害のある子のプログラミング教育実践
- 特別支援教育研究6月号
（東洋館出版社） 図書紹介 - 「自立活動の指導」のデザインと展開
- 肢体不自由教育245号
（日本肢体不自由児協会） - 適切行動支援 PBSスタディパック
- 特別支援教育研究3月号（東洋館出版社） 図書紹介
- キャリア発達支援研究 6
- トーハン週報`20 2/3号
- スマホに振り回される子 スマホを使いこなす子
- 西日本新聞 熊本県版朝刊
- 思春期の子どものこころがわかる25のQ＆A
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